サービス紹介
世の中の法人営業組織では、今でも営業案件(パイプラン)の積上げや案件進捗の登録・更新の指示が飛び交います。個人と組織双方の営業目標を達成するために必要なコミュニケーションではありますが、どこか営業として何が取引に繋がるか、どのぐらいの数量を提供できるか、いくらで販売できるかといった「売りを上げる」ことだけに目線が向きがちです。
一方、顧客は自社の担当営業に何を感じているでしょうか。顧客は常に事業目標達成に向けた「不」の解消に取り組んでおり、その手立てとして様々なサービスや商品を購買しています。そう、目標と現状との差分を解消する問題解決の営みの中で営業とお付き合いしているのであって、問題解決に役立つかどうかという目線でパートナー選びをしています。この当然とも言えることが営業の現場では目の前の仕事に追われ、まさに忙殺されてしまっている状況にあったりします。
本ワークショップでは、この状況を改善し、顧客が抱える問題解決を起点にアカウントプランニングに取り組み、抜け目ない法人営業に取り組めるようになることを目指します。
営業職として顧客を担当すると、顧客の意思決定プロセスや内部事情に詳しくなっていくものです。しかし、顧客との距離縮まれば縮まるほど、目の前の担当者の要望・期待に応えることが活動の中心になり、顧客のビジネスの変化や顧客を取り巻く環境の変化には疎くなってしまうこともあるでしょう。
顧客は厳しいビジネス環境のもと事業の成長・発展に向けて様々な打ち手を講じて変化しているにもかかわらず、担当営業の本人がそれを把握できていない嘘のような本当の話があります。顧客の状況を知れば、百戦して危うからずとまではいかないかもしれませんが、顧客が変化する中で支援するきっかけは必ず見い出せるはずです。
本プログラムの開発において重視したのは「分ける」ことです。皆さんが担当する顧客との取引を要素分解するとどのように分けられるでしょうか。
まず、提供先と提供サービスの二軸を既存新規で大雑把に分けると、4象限(既存提供先*既存サービス、既存提供先*新規サービス、新規提供先*既存サービス、新規提供先*新規サービス)に整理できます。これにより象限単位でどのような取引がいくら存在するかを可視化することができ、顧客のビジネスと事業環境を踏まえて、どのような支援機会を創り出すかを考えられるようになります。
分けることで現実が可視化でき、可視化できるからこそ必要なアクションが明らかになり、アクションが描ければ後は行動するだけです。感覚的な営業から脱却し、計画に基づいた営業活動に取り組むからこそPDCAの実行(D)・評価(C)・改善(A)のサイクルが回るのです。
組織内の営業力が事業目標達成に向けた重要なエンジンであることは疑いようがありません。しかし、重要な組織機能であるにも関わらず、従前踏襲の感覚的な営業活動に取り組んでいる組織が少なくないのも事実です。勿論、営業は量を稼ぐことも重要なので、運動量を否定するものではありません。むしろ、その運動量を適切な活動に紐づけることが出来れば、大きな成果を期待でき、また再現性が高い営業活動に取り組めるものとだと信じています。
では、その適切な活動というものをどのように計画するかという問いが立ちますが、それが正にアカウントプランになります。アカウントプランは、担当する顧客(アカウント)に向けて何を提供したい、このぐらいの取引を成立させたいという自社目線の願望を並べるものではもちろんありません。自社がどうやって顧客の「不」を解消できるのかを顧客起点で考え、顧客の課題と自社のサービスを紐づけ、それが取引として成立するために誰に対してどのようにアプローチして、どういった会話をしていくかという具体的なアクションを定義するものです。それにより営業担当は計画に沿った営業活動、上司は計画に沿ったフォローに取り組め、双方の目でもってPDCAの実行(D)・評価(C)・改善(A)のサイクルを回すのです。
本プログラムでは、計画ではなく、計画の先を見据えたアカウントプランを立案することが可能です。
顧客の営業担当として、どの様な関係性を築きたいか、顧客にとってどのような存在でありたいかがアカウントプランを立案する第一歩目です。これが具体言語化されない中においては、従前の営業活動と変わらない1年を過ごしてしまうことになるでしょう。
営業職としての目標・ありたい姿があるからこそ、それに向けてどういった姿勢・行動が必要かが自ずと見えてくるものです。顧客のビジネス概況や取り巻く環境から、自分自身がどういった存在であるべきかを正面から考えることが本プログラムの特長の一つです。
アカウントプランは、既存顧客との取引をどうやって拡げていくかの計画になりますが、前年度の取引実績をもとに高い取引目標額が設定されることが一般的でしょう。また、前年度の取引実績が今年度も100%リピートされるかというとそのようなこともなく、取引目標額と取引見込額には乖離があるものです。
この乖離をどのように埋めていくのかが、アカウントプランニングで考えるべきポイントになりますが、持てるサービスと馴染みのある担当者を並べて想定取引額を書くことで満足しがちです。
本プログラムでは、埋めるべき取引額をサービス種別で分解し、取引先を成約に結びつけるまでのプロセスと行動を定義し、モニタリングできるレベルまで具体化することがもう一つの特長です。
担当顧客のアカウントプランを立案するための手順・順序と観点を把握し、アカウントプラン立案時の陥りやすい罠に触れ、実行性を担保した計画を立案するためのDo’s、Don’tsを学びます。
ワークショップ形式でアカウントプランを立案するためのポイントについて議論しながら、翌期の事業計画の一次案を作成し、一過性の研修で終わらせない内容となっています。