お客様の声
三井物産株式会社 金融事業部様
三井物産株式会社 金融事業部では、メンバー間の関係性の更なる深化のため、アウトドアプログラムを実施しました。プログラムを実施した裏側には、どのような背景があったのでしょうか。
今回は、三井物産株式会社 金融事業部 松岡様、山本様、木田様、大浦様に、取組前の状況と実施後の変化について、当プログラムの開発ディレクター懸山がお話を伺いました。
松岡様:金融事業部では、当社事業ノウハウをベースに、アセットマネジメント(アセマネ)事業と保険事業の2つの領域で事業展開を行なっています。
懸山:事業を2つ運営されているのですね。それぞれの概要を伺ってもよろしいでしょうか?
松岡様:はい。アセマネ事業では、三井物産の有する総合力・事業知見・グローバルネットワークを生かした資産運用事業を展開しています。運用対象は、不動産・インフラなどのオルタナティブ資産です。日本やシンガポール、タイにある物流不動産を対象とした不動産投資信託が例として挙げられます。また、保険事業としては、保険契約者や仲介者(代理店・ブローカー)、自家保険など、保険業界のバリューチェーン全体を通じて、三井物産が展開する事業の保険リスクマネジメントの知見を活かしながら、さまざまな形で事業を展開しています。
山本様:端的に申し上げると、金融事業部として、チームビルディングが必要だと感じていたためです。金融事業部が持つ組織特性や、コロナウイルスの影響により在宅勤務が浸透し、コミュニケーションを取る機会が減少したことから、この機会に一度、部全体の取組みとして試みた方がよいのではないかと思い、企画・提案しました。
懸山:そうなのですね。組織特性と在宅勤務の浸透によりチームビルディングの必要性を感じられたというのは、具体的にはどのようなことなのでしょうか?
山本様:金融事業部が担うアセマネ事業と保険事業はそれぞれ専門性が高く、固有の業務が多く存在します。そのため、担当者レベルでの各事業を超えた情報の共有・連携に、より改善余地があるように感じていました。
また、各事業の中で見ても、それぞれのメンバーが担当する会社やプロジェクトも多岐にわたっているのが現状で、各メンバーが自立して業務をこなす傾向が強いという状況にありました。このような金融事業部が持つ組織特性により、メンバー間の横の連携やコミュニケーションの闊達化に課題を感じていました。それぞれの専門性を活かしながら、新たな価値創造や効率化へのチャレンジを、より一層実現できる環境を作り出したい、と考えたのが背景です。さらに、コロナウイルス感染防止対策として、社内でも在宅勤務が広く浸透しました。その結果、メンバーの物理的な接点の機会が相対的に減少したため、メンバー同士の日ごろの連携を、強く課題視するようになりました。
懸山:特に、チームビルディングが必要と感じたきっかけはありますか?
山本様:ええ、金融事業部では、このような組織の見えない課題を視覚的に認識するべく、定点的にエンゲージメントサーベイを実施し、状況を確認しています。その結果、「職務上の支援」「仕事の仲間との関係」等の項目において、相対的にベンチマークとの乖離が見られ、メンバー間での支援・関係性について特に改善が必要であると認識したのがきっかけです。
木田様:プログラムの趣旨が、弊社で感じていた課題と合致していたこと、オフィスを離れたアウトドアで実施することの効果を期待したことの2点が理由です。まず一つ目に関して、REの提案資料の中に「一人ひとりが感じ、自ら気づき、自ら考え、それを仲間と共有し、行動に移すことで、本当のチームビルディングを実現する」ことをパーパスに、プログラムを実施する旨の記載がありました。これは、金融事業部が課題として認識している「メンバー間での支援・関係性」の強化に合致しています。プログラムを通じ、各メンバーがともに協力し合い、一つの価値創造ができるのではないかと考えたことが理由のひとつです。
懸山:オフィスを離れたアウトドアで実施することに魅力を感じたことが、本プログラムを選定した理由のひとつとして挙げられていました。金融事業部として、今までに実施された取り組みはありますか?
木田様:はい、これまでにもメンバーでの懇親の場を設けていました。しかし、オフィスやオフィスの近辺で実施することが多いことから、業務感を払拭することができず、心理的な解放につなげることが難しいとの印象も強かったのが事実です。そのため、既存の取り組みに加え、新たな試みとして、職場とは全く異なるアウトドアな場所で、プログラムを実施することで高い効果を得られるのではないか、と考え、今回申し込みました。
大浦様:アウトドアの取り組みを実施することに対して、反対意見はありませんでした。これは、部長をはじめとする金融事業部のメンバーの多くが「メンバー間の支援・関係性」への関心を抱いており、当プログラムのパーパスがメンバーの意識に合致していたためだと思います。
懸山:課題解決のためにプログラムを実施する際に、心掛けたポイントを教えてください。
大浦様:「当プログラムは全メンバーが参加してこそ、意義がある」と感じていました。そのため、どのような形で取り組みを実施すれば全メンバーが参加できるか、を重点的に考えました。もともと、提案書に記載されていた1泊2日での開催も、一つの選択肢として視野に入れていました。しかし、家庭を持つメンバーへの負担や、REに参加するために2日間業務を離れることによる業務への影響の大きさを考え、プログラム期間を2日間から、1日終日に短縮できないかと相談をしました。
山本様:職場を離れ、自然に囲まれた環境下でチームメンバーと協力して課題に取り組んだことにより、メンバー同士が自然体でコミュニケーションを取れていました。リラックスしながらプログラムに取り組むことで、メンバーの相互理解の深化に繋がったと事業部として感じています。プログラム後にアンケートを取ったところ、参加者全員が「チームの関係性強化の可能性を感じた」と回答しています。また、参加者の半数以上が「特に協調と支援の姿勢を身につけたと感じた」と回答し、肯定的なフィードバックが寄せられました。
懸山:REを実施することで、課題として挙げられていた「チームの支援・関係性」に対して改善につながったのですね。もし、よろしければ、具体的なアンケートの内容について伺ってもよろしいでしょうか。
木田様:REに対する感想については、メンバーに対して理解が深まったという声が多く集まりました。「職場で見える姿は、その方の一面に過ぎないことが分かりました。プライベートといわずとも、隠れた思い・考えや得意・不得意があることに触れる良いきっかけであったと思います。」「仕事と飲み会だけではなかなか知ることが難しいメンバーの一面を見ることができ、今後のコミュニケーションを積極的に取りやすくなったと感じた。」このように、それぞれメンバーに多様な面があるからこそ、コミュニケーションの大切さに気づいたとの意見が集まりました。今後、メンバー同士でコミュニケーションを積極的に取り、金融事業部の業務の効率化に繋がるのではないかと期待しています。
懸山:金融事業部のチームとしての活性化につながると、期待できますね。今回のアウトドアプログラムを通じて、業務にまつわる声もありましたか。
大浦様:参加したメンバーからは、業務におけるメンバー間のコミュニケーションの重要性を理解したという声が多く寄せられました。「今回のプログラムを通じて、それぞれのメンバーとより親密な関係を構築できたと思う。今後はアイデアの壁打ちや、仕事上で行きづまったときに気軽に相談したい。」「メンバー一人ひとりの良いところに光を当てて、伸ばしていくことの重要性を強く感じたので、その点を意識していきたいと思う。」このプログラムを通じて、業務上のコミュニケーションを取る心理的障壁を下げる効果を享受できたのではないかと感じています。
松岡様:プログラム実施から1か月後に、気づきと今後への活用を共有する場を設けました。今回の取り組みを活かして、今後参加したメンバー全員が意識的かつ意欲的に、チームビルディングに貢献できる文化を作りたいですね。今後もプログラムで組成したチームごとに自由に集まり、プログラムで得られた気づきをどのように活用しているか、その進捗を共有する取り組みを継続したいと考えています。定期的な振り返りを実施することで、この取り組みの効果を最大限に引き出すつもりです。
懸山:取り組みの効果を最大化するために、振り返りをされているのですね。他に注力したいことはありますでしょうか。
松岡様:長期的な視点では、今回のような取り組みを、金融事業部の全メンバーを対象に実施していきたいという思いがあります。金融事業部は、複数の関係会社に多くの出向者を派遣しているということもあり、本当の意味での「金融事業部全体としての一体感」を持たせるためには、出向者も含めた取り組みを行なった方がよいものと認識しています。今後はこのようにチームビルディングの質と対象者を向上させることで、真のチームビルディングを実現し、新たな価値創造や効率化へのチャレンジを進めていきたいですね。ありがとうございました。
編集後記
金融事業部として「メンバー間の支援と関係性の向上」に真摯に取り組んでいる姿勢が印象的でした。アウトドアプログラムを実施する際、部長を含む事業部全体が一致団結し、反対意見がなかったことからも、その熱意が伝わってきます。
さらに、チームビルディングを積極的に推進し、今後の参加者を増やす熱意が非常に印象的でした。新たな価値創造と効率化に向けた果敢なチャレンジによって、さらなる成長が期待されます。