サービス紹介
弊社が提供するコンプライアンス研修は、法令に詳しい人材、特定のリスクを適切にコントロールできる人材の育成はもちろん、さらに経営上の問題を解決し、組織の生産性や組織力の水準を高められる人材を育成することを目的としています。
本来、経営とはリスクとリタ―ンのバランスがとれていなければなりません。しかし、昨今の企業経営は、リスクに敏感になるあまり「ゼロリスク症候群」に陥っています。例えるなら、車に乗っているのにブレーキばかり踏み続けている状態です。その原因の一つには、法令知識一辺倒のコンプライアンス研修があります。コンプライアンスの理解を法令知識のインプットで終わらせて、現場でどのように活用するのかまでカバーしなければ、アクセルとブレーキのバランスはよくなりません。
本プログラムでは、単に法令の知識をつけるだけではなく、現場に合った実践的なプログラムで適切なブレーキの踏み方を考えます。経営上のリスクを認識しその対処法を社員各人が知ることで、企業全体の組織力が高まり、健全な経営に近づきます。
弊社では、日本企業に合った日本型のコンプライアンス研修を開発しました。日本型コンプライアンスとは、日本独自の倫理観を組み入れたコンプライアンスの考え方です。
欧米企業では、人種や宗教観といったバックグランドが異なる人同士が共に働くため、法令やマニュアル、手順書といったものの遵守が重視されています。そのため、コンプライアンスは日本において法令遵守と訳されてきました。一方、日本の企業は法令遵守に加えて、倫理規範の遵守も社会的に求められています。ハラスメントも倫理規範から派生したものの一つです。そうした日本企業に、法令遵守を軸としたコンプライアンス研修を導入しても、社員にはなかなか伝わりません。法令の知識をつけても、それだけでは現場で活かせないからです。例えば、ハラスメントについて法令の知識を身につけても、実際に部下をどう指導すればいいのかはわかりません。その結果、部下を指導できなくなったり、必要以上にコミュニケーションを避けてしまったりするのです。
弊社のプログラムは、欧米型コンプライアンスを前提とした研修とは一線を画します。日本型コンプライアンスを社内に浸透させることに重きを置いているため、企業が抱える課題の抽出から、次のアクションに繋がる価値観の育成まで一貫したプログラムを提供できるのです。
プログラムの開発当初は、コンプライアンスの知識を伝えるだけの内容にご満足いただけないこともありました。当時よくいただいていたご要望は、「階層別研修」に盛り込んでほしいというものです。例えば、労務管理では、部下をもつ管理職とさらに上の役職者では必要になる知識が異なります。部下をもつ管理職には、労務管理だけでなくハラスメントやメンタルヘルスの知識も必要です。職場の雰囲気をどのようにコントロールし、部下が権利行使しやすい環境をどのように構築していくかを研修しなければなりません。さらに上の役職者になると、新人社員との年齢差が相当開いていることがほとんどです。そこで、若い社員とどのようにコミュニケーションをとって会社側の意思を伝達するか、社員がメンタルヘルスを崩さずに企業人として成長してもらうにはどうするべきかを学ぶ必要があります。もっと上の立場になれば、会社法といった知識も必要です。そうした階層別の研修もプログラムに取り入れました。
弊社のプログラムが支持される理由には、現場の声に対応しながら開発してきたということがあります。現場でどういったことが起こっているのかを聞き、研修担当者様と協議したうえでプログラムをつくるといったスタイルです。現場に即したプログラムにすることで、実際のビジネスで活用できる内容になっています。
コンプライアンスへの取り組みは企業によって大きな差があります。そもそも「研修」という形態がとられていない企業や研修といっても説明会に近い研修を行っている企業も少なくありません。取り組みに消極的な理由は、受講者である社員がコンプライアンスを理解していなかったり、人事評価や他の諸制度が追随していなかったりすることで、研修をしても何も変わらないとか、そんなことをしている時間はないといった社員の意識が障壁となっていることが多くみられます。さらに、研修の実施側も人材や準備が不足し、十分な研修が行えないといった事情も研修に力を注げない理由です。
弊社のコンプライアンス研修の本質は、組織の価値観を共有したうえで、「自分に期待されること」を自ら正しく定義し、その期待に応えるための実行力(知識・技能)を習得することです。これは、マネジメント教育に他なりません。法令について説明を受ける研修ではなく、マネジメント教育として位置づけることで、受講者の意識も変わります。
これまで実施してきた企業の管理職の方からは、「当社にこうしたリスクが存在することに初めて気が付きました」というお声をよくいただきます。単なる法令研修ではなく、マネジメント教育として弊社のプログラムを実施することで、潜在的なリスクに対処し組織力全体の底上げを図ることができると自負しています。
マネジメント教育として位置付けていることから、多くの企業様で階層別研修と融合させてご活用いただくケースが少なくありません。以下は、課長研修2日間を再構築し、「コンプライアンス階層別研修(課長編)」と課長としての役割認識の要素を織り交ぜて設計した例になります。マネジメントスキル習得とコンプライアンス理解、及び価値観形成を平行して進めることができます。
「コンプライアンス階層別研修(課長編)」の例
1日目:課長職の基本
■オリエンテーション
■課長の立場
・マネジメント上の責任
・法的な責任
■コンプライアンスの基本
・不祥事のメカニズム
・事例研究
■部下の育成
・風通しのよい職場づくり
・信頼を得る指導方法(褒め方/𠮟り方)
■ケース<マネジメント不全の危機>
2日目:価値観形成
■オリエンテーション
■問題(リスク)発見の基準作り(上位からの価値観承継)
■自職場の課題形成(自己の役割確認とリスク発見)
■管理者としての問題解決・プロセスの設定(リスクマネジメント方針の策定)
■管理者の役割設定と部下への課題割り付け(部下に対する価値観継承)(部下への指導計画の作成)
3日目:諸制度の理解
■オリエンテーション
■人事評価制度
・人事制度の概要
・業績評価の基本
・能力行動評価の基本
・評価面談と傾聴スキル
■労務管理制度
・勤怠管理
・労働安全衛生管理
・メンタルヘルスとラインケア
■その他の制度
・予算編成手続き
・稟議と執行権限
企業リスクの多くは、ブラックボックス化した仕事にあります。属人化したり、他者が指摘できない環境となったりすると、外部からの監視が行き届かなくなり、暴走を起こし法令や規範を逸脱してしまうことになるのです。
そうしたブラックボックス化した仕事を廃除するための具体的な方法として、まずは職場ごとのリスクを「見える化」します。具体的には、コンプライアンスに関するリスク懸念を7つの軸に分類し、それを基にした項目でチェックしていただきます。チェック項目は24項目の簡易版と48項目の詳細版からご選択いただき、その結果をレーダーチャートに起こし、リスクが高い部分とそうでない部分を可視化します。さらにご要望に応じてリスクの発生可能性と影響度をマッピングしたリスクマップも作成可能です。リスクマップを作成することで、具体的な対策方針も検討できます。
コンプライアンス上の問題の兆候は職場によってさまざまです。例えば、短い開発納期に関するプレッシャーや、成果至上主義はデータ改ざんなどを引き起こしますし、風通しの悪い職場環境はハラスメントが起きやすくなります。職場ごとの問題の兆候を可視化することで、現場にそった育成プログラムをご提供しています。
生成AIの活用が声高に叫ばれていますが、生成AIを正しく活用するためには、しっかりとした倫理観がなければなりません。生成AIが作ったものを、コンプライアンスに反していないか判断して活用するのは人間だからです。AIを活用して生産性を高めるためには、社員へのコンプライアンス意識の浸透が必須といえます。
また、働き方の多様性が求められるなかで、組織に属さない選択をする人も増えています。しかし、日本においては、企業に属していなければ社会倫理規範を学ぶ機会は多くありません。コンプライアンス研修を実施し、社会人として必要な倫理観を教育しているというのは、リクルート活動においても、日本における会社が持つ規範の浸透という大きな役割となります。さらに弊社のプログラムを実施いただくことで、職場や階層に応じた実践的なコンプライアンス研修が可能です。単に知識を与えるだけでなく、問題を認識し改善に向けて動き出せるプログラムを提供できるのは、弊社の強みだと考えます。
本研修プログラムは、欧米型コンプライアンスを前提とした研修とは異なり、日本の倫理観を組み入れて社内により浸透させることに重きを置いているため、企業が抱える課題の抽出から、次のアクションに繋がる価値観の育成までを一貫したコンプライアンス研修です。
また、短い開発納期に対するプレッシャーや成果至上主義の環境によるデータ改ざんや情報隠蔽などのリスクや風通しの悪い職場環境によるハラスメントなどコンプライアンス上の問題の兆候は職場によって様々ある中、職場や階層ごとの問題の兆候を可視化することで、あらゆる組織や現場に沿った育成プログラムを提供します。