サービス紹介
VUCA時代と呼ばれる、変化が速く、複雑性・不確実性の高い時代や、生成AIが急速に普及し始めている時代においては、考える力がこれまで以上に重要になっています。何故なら、過去の成功体験を現在に適用することが難しくなり、生成AI等を通じて「一般的に正しい」という情報を手軽に入手出来るようになることで、「今この瞬間」「この状況下で」「私たちにとって」適切な問いを設定し、結論を導くことを繰り返していくことが求められているためです。
この様な時代においては、「ゴールに基づき考えるべき対象を設定する力」や「考えを伝える相手を含む、状況を把握し理解する力」、「目的や状況に応じて考えるプロセスを決定し実行出来る力」といった、考える力を高め続けていくことが求められます。本研修は、講義と演習を通じて、考えることそのものへの解像度を上げ、ビジネスでの相手を前提とした「考える」における重要なポイントを学習することで、企業の今後を支える人財の土台である「考える」の力を伸ばすきっかけとすることを目指しています。
本研修は、社員から受ける「どのように考えているのか?」や「どうすれば考えられるようになるのか?」という質問に答えるべく、弊社の若手・中堅社員向けに実施した研修をもとに開発されました。
考えるという行為は、毎日誰もが行っている行為であり、特にビジネスの場では、無意識であれ意識的にであれ、考えること抜きで仕事を進めることは出来ないものです。「もっと考えて」や「考えが浅い」というフィードバックを受けた経験がある方や、逆にフィードバックした経験がある方もいるかもしれません。しかし、考えるについて言葉で説明したり、他人と共有したりする機会はあまりなく、改めて「考えるとは何か?」や「どうすればよりよく考えられるのか?」という問いに答えようとすると意外と難しいのではないでしょうか。
本研修では、普段あまり意識せずに行うことの多い「考える」について、1日かけて考え抜き、解像度を高めることを第一目的としています。
社外向けの研修としてリリースするにあたり、前述の「考える」の解像度を高めた上で、ビジネスを進める上での「考える」について、学習を深められるような研修の構成としました。「明日何を食べるか?」といった問いの様な、考える主体者だけで完結して問題のない「考える」とは異なり、特にBtoBビジネスにおける「考える」では、考えを伝える相手や、関係する複数の他者の存在を考慮する必要があります。上司やお客様、お客様の上司、協力企業担当者といった他者に対して、考えに納得してもらい、ひいては次のアクションに繋げてもらえるような結論を導くには、まず相手を正しく理解し捉えることで、相手にとって適切な問いや評価軸を設定することが重要になります。
本研修では、異なる複数の状況において、お客様への提案内容をそれぞれ検討する実践演習を組み込むことで、受講者がシチュエーションに応じた問いや評価基準の設定について体感的に学習し、現場で応用していただくことを目標としています。
カリキュラムは全体を1日(8時間)とし、大きく3部構成となっています。主に研修前半では①「考える」の解像度を上げるをテーマとし、日常の「考える」を起点として、考えるの定義や過程、適切に考えるための軸・観点について学習します。研修後半では②ビジネスにおける「考える」のポイントを理解するをテーマとし、前述の実践演習をメインに、ビジネスにおける「考える」のポイントや、鍵となる論理的思考について学習します。研修の最後では、③考える力の高め方を知るをテーマとし、考える力を継続的に高めていくための方法を学習します。
本研修の主な受講対象者としては、社会人3~5年目以上の実務経験をお持ちの方を想定しています。ある程度自分で考えながら仕事をした経験をお持ちの方の方が、学習内容への納得度や理解度を高く持っていただきやすく、現場での応用がしやすいと想定されるためです。都度状況を踏まえた意思決定が多く求められる方や、部下や後輩に対して考え方や思考のプロセスに関するフィードバックをする必要のある方にも、親和性高く受講いただける研修です。
また、「思考」や「考える」といったテーマに馴染みが深い方や、実務経験が豊富にある方にも新しい発見や気づきを持ち帰っていただけると考えます。
受講対象者の業種や職種を限定するコンテンツではありませんが、特に研修後半以降では、相手を前提とした異なるシチュエーションにおける最適解の検討を扱うため、コンサルティング・提案営業といった相手への提案を含む業務をされている方や、会社間や部門間といった複数の関係者を巻き込み業務をされている方に、ご自身の業務に活かせる学びを得ていただきやすいと考えます。
現在、論理的思考法に代表されるような○○思考や××シンキングといった思考法は数多くあり、また、認知科学や脳科学といった脳や心の働きについての科学的研究も進んでいます。一方で、これらの知識やノウハウを活かし、考える力を高めていくためには、前提となる「考える」とは何か?適切に考えるとはどういうことか?といった考えるメカニズムを詳しく理解することが重要だと考えます。
例えばスポーツや音楽において、動作別の練習や体力を培う基礎練習をして、総合・発展的な技術やスキルの向上を目指すのと同じように、本研修において土台となる「考える」の解像度を高めることで、思考に関する知識やノウハウを上手く活用し、考える力を向上させていくことを目指しています。
特に複数の他者と関わり合いながら進めるビジネスにおける「考える」では、誰にとっても納得でき、また、有用だと感じられるような問いと結論を導き出すことが重要です。そして、客観的な確からしさを持った結論を導くための手段として浸透している、ファクトに基づくデータドリブンなアプローチや、論理的思考法は有効な手段となります。
しかし、ビジネスにおいて「考える」ことが求められる場面では、多くの場合、状況が複雑で、過去の経験を活かしにくく、誰にとっても客観的に確からしい結論を導くことが難しいと言えます。
そのような状況では、考える主体者である「私」や、その結果を受け止める周囲の「他者」が置かれている状況や、考えるにあたってのクセ、志向性などの属人的な事柄を理解し、「考える」際の前提条件とすることで、一般的でも客観的でもなく、「今この瞬間」「この状況下で」「私たちにとって」適切な結論を導き出せるようになると考えます。つまり、「考える」にあたっては「私」や「他者」といったヒトのことの理解が重要であることを認め、向き合う姿勢が必要となります。それは「人間性」に向き合うとも言えるでしょう。
本研修では、考える力を伸ばすためには、「考える」に関する知識の理解や習慣的な活用だけでなく、他者・自己理解を通じた人間性の成長も不可欠であるというメッセージを組み込んでいます。
世の中には多くの思考法があり、脳や心の働きについての科学的研究も進んでいます。これらの知識やノウハウを活かすためには、 前提としての「考える」とは何かを理解することが、「考える」力を伸ばすきっかけになると考えます。
本研修では、ビジネスにおける相手を前提とした「考える」において、シチュエーションに応じた適切解を導くためのポイントを学び、「考える」という行為に対する解像度を上げ、考える力を高め続けていくために必要なことを学習します。